
ドバイスタートアップ起業家列伝 #1:Uberに31億ドルで買収されたCareem配車アプリ帝国
こんにちは!YHIKのイケダです。
今日はドバイで起きた「奇跡」の話をします。
2012年、ドバイで小さな会社が生まれました。
その会社の名前は「Careem」。

最初は従業員3人の小さなスタートアップ。
でも7年後…
Uberが3,100億円で買収しました。
中東発のユニコーン企業として、歴史に名前を刻んだんです。
始まりはコンサルタントの不満から
Careemを作ったのは、ムダシル・シェイカという男性です。
https://x.com/MudassirSheikha

パキスタン系アメリカ人で、元McKinsey(マッキンゼー)のコンサルタント。
世界最高峰のコンサルティング会社で働いてたエリートです。
でも、彼には大きな不満がありました。
「中東で移動するのが大変すぎる」
ドバイに住んでた彼は、毎日の移動に困ってました。
タクシーは来ない。
電話しても「30分後に来ます」って言われて、実際は1時間待ち。
運転手は道を知らない。
「これ、なんとかならないかな?」
毎日そう思ってました。
共同創業者との運命的な出会い
2011年、ムダシルはスウェーデン人のマグナス・オルソンに出会います。
マグナスも同じくMcKinseyのコンサルタント。

二人とも中東の交通事情に困ってました。
「アプリで車を呼べたら便利だよね」
「Uberみたいなサービス、中東にないよね」
そんな会話から、Careemのアイデアが生まれました。
実は、この時すでにUberは存在してました。
でも、中東には進出してなかったんです。
「じゃあ、僕たちが作ろう」
2012年、二人は安定したコンサルタントの仕事を辞めて、起業しました。
最初は企業向けの送迎サービス
Careemは最初、一般のお客さん向けじゃありませんでした。
企業向けの送迎サービスからスタート。
「会社の重要なお客様を空港にお迎えします」
そんなビジネスです。
なぜかというと、中東では「信頼関係」がすごく大事だから。
いきなり知らない運転手の車に乗るって、文化的に抵抗があったんです。
でも、企業が保証してくれるなら安心。
この戦略、後から考えると天才的でした。
中東の文化に合わせたサービス設計
Careemが成功した理由の一つは、中東の文化をよく理解してたことです。
例えば:
現金払いOK
Uberは基本的にクレジットカード決済。
でも中東では、現金で払いたい人が多い。
Careemは現金払いに対応しました。
女性専用車両
イスラム文化では、女性が男性運転手の車に乗ることを嫌がる場合があります。
Careemは女性運転手のサービスを始めました。
アラビア語対応
アプリは完全にアラビア語対応。
細かいところまで、現地の文化に配慮したんです。
資金調達の苦労
2013年、Careemは最初の資金調達をしました。
でも、めちゃくちゃ苦労したんです。
「中東でUberみたいなサービス?本当にうまくいくの?」
投資家は半信半疑でした。
最初に調達できたのは、たった170万ドル(約1.7億円)。
今の感覚では「少ない」って思うかもしれませんが、
当時の中東では「すごい金額」でした。
中東のスタートアップ投資は、まだまだ発展途上だったんです。
サウジアラビア進出の大勝負
2014年、Careemは大きな賭けに出ます。
サウジアラビア進出です。
当時のサウジアラビアは、女性の運転が禁止されてました。
「配車サービスなんて、需要あるのかな?」
誰もが疑問に思いました。
でも、ムダシルは確信してたんです。
「女性が運転できないなら、配車サービスの需要は絶対に高い」
結果は大正解。
サウジアラビアでCareemは爆発的に人気になりました。
女性にとって、外出する唯一の手段だったんです。
Uberとの激しい競争
2014年、ついにUberが中東に進出してきました。
巨大な資金力を持つUberに対して、Careemは劣勢でした。
価格競争も激しくて、
時にはUberが「無料乗車キャンペーン」をやったり、
Careemも負けじと「半額キャンペーン」で対抗したり。
お客さんには嬉しいですが、会社の利益は出ません。
「このままじゃ潰れるかも…」
そんな危機もありました。
差別化戦略で反撃
Uberとの競争で、Careemは重要なことを学びました。
「同じサービスじゃダメ。差別化が必要だ」
そこで、Careemは独自のサービスを開発しました。
Careem Food(フードデリバリー)
配車だけじゃなく、食べ物の宅配も始めました。
Careem Pay(決済サービス)
アプリ内で送金や支払いができるサービス。
Careem Now(何でも配達)
食べ物だけじゃなく、薬や日用品も配達。
「スーパーアプリ」を目指したんです。
中東の人にとって、Careemは「生活インフラ」になりました。
サウジアラビア政府からの巨額投資
2016年、Careemに大きな転機が訪れます。
サウジアラビア政府系ファンド「PIF」から、3.5億ドル(350億円)の投資を受けたんです。
これは当時、中東史上最大級の投資でした。
サウジアラビア政府が「Careemは戦略的に重要」と認めたんです。
この投資で、Careemの評価額は10億ドル(1,000億円)を超えました。
中東初の「ユニコーン企業」誕生です。
女性運転手1万人の採用
2017年、サウジアラビアで歴史的な変化が起きました。
女性の運転が解禁されたんです。
Careemはすぐに行動しました。
「女性運転手1万人を採用します」
こう発表したんです。
これまで働く機会が少なかった女性に、雇用を提供する。
社会的にも大きな意味がありました。
サウジアラビア政府からも高く評価され、
Careemの社会的地位がさらに上がりました。
Uberからの買収提案
2018年末、Careemに驚きのニュースが飛び込んできます。
Uberからの買収提案。
金額は31億ドル(3,100億円)。
中東史上最大の買収金額でした。
最初、ムダシルは迷いました。
「まだまだ成長できるのに、売るべきかな?」
でも、チームと話し合った結果、売却を決めました。
理由は3つ:
1. さらなる成長のため:Uberの資金とネットワークを活用
2. 従業員のため:みんなが大きなリターンを得られる
3. 中東のため:成功事例として、後続の起業家を勇気づける
2020年1月、歴史的な瞬間
2020年1月3日、買収が正式に完了しました。
中東発のユニコーン企業として、Careemは歴史に名前を刻みました。
でも、Careemブランドは残ったまま。
Uberの子会社として、独立して運営を続けています。
現在も中東では「Careem」の名前で愛され続けてるんです。

数字で見るCareemの成功
買収時点でのCareemの規模:
- 利用者数: 3,300万人
- 運転手数: 100万人以上
- 都市数: 100都市以上
- 国数: 15カ国
- 従業員数: 4,000人
たった7年で、これだけの規模に成長したんです。
成功の要因を分析してみる
なぜCareemはここまで成功したのでしょうか?
1. ローカライゼーションの徹底
現金払い、アラビア語対応、女性専用車両…
中東の文化に徹底的に合わせました。
Uberの「グローバルスタンダード」に対して、
Careemの「ローカルファースト」が勝ったんです。
2. 政府との良好な関係
サウジアラビア政府から投資を受けるなど、
政府との関係構築がうまかった。
中東では政府の支持は絶対に必要です。
3. 社会課題の解決
女性の移動手段、雇用創出…
単なるビジネスじゃなく、社会問題を解決しました。
だから政府も企業も個人も、みんなが応援してくれた。
4. 段階的な成長戦略
最初は企業向け、次に個人向け、そして他国展開。
いきなり大きなことをやろうとせず、段階的に成長しました。
5. チームの多様性
パキスタン、スウェーデン、レバノン、UAE…
多国籍チームだったから、色々な視点でサービスを作れました。
ムダシルから学ぶ起業の心得
Careem創業者のムダシルから学べることは何でしょうか?
1. 身近な不満から事業アイデアを見つける
「タクシーが来ない」という個人的な不満が、31億ドル企業になりました。
大きなアイデアじゃなくても、身近な問題の解決から始めていい。
2. 現地の文化を理解する
グローバル企業のUberに勝った理由は、現地適応力。
「世界で成功してるから、そのまま持ってくればいい」
そんな考えじゃダメなんです。
3. 競合を恐れない
Uberという巨大な競合が来ても、諦めませんでした。
「差別化すれば勝てる」
そう信じて戦い続けました。
4. 社会的意義を持つ
単なる利益追求じゃなく、女性の雇用創出など社会問題に取り組みました。
だから政府や社会から支持されたんです。
5. 売り時を見極める
「まだ成長できる」と思っても、いいタイミングで売却しました。
欲張りすぎず、適切な判断をすることも重要です。
ドバイ起業の魅力
Careemの成功は、ドバイ起業の魅力を物語ってます。
政府の手厚いサポート
UAE政府はスタートアップ支援に積極的。
資金調達もしやすい環境が整ってます。
中東全体へのゲートウェイ
ドバイから中東・アフリカ15億人の市場にアクセスできます。
Careemも、ドバイから15カ国に展開しました。
多国籍な人材
世界中から優秀な人材が集まってます。
Careemのような多様なチーム作りが可能です。
税制メリット
法人税9%、個人所得税ゼロ。
利益を最大化できる環境があります。
日本の起業家へのメッセージ
Careemの成功を見て思うのは、
「日本の起業家も、もっと世界に目を向けてほしい」
ということです。
日本の技術力は世界トップクラス。
でも、海外展開となると二の足を踏んでしまう。
ドバイなら、日本企業にとって進出しやすい環境が整ってます。
英語圏だし、親日的だし、政府もサポートしてくれる。
「いきなりアメリカは難しい」
そう思うなら、ドバイから始めてみませんか?
Careemのその後
買収されてから4年。
Careemは順調に成長を続けています。
COVID-19の影響で一時期苦しみましたが、
フードデリバリーが好調で業績を回復。
現在は月間利用者数5,000万人を超えてます。
ムダシルは現在もCareemのCEO。
「次は中東のスーパーアプリを目指す」
そう話してます。
Careemの挑戦は、まだまだ続いてるんです。
最後に
たった7年で3,100億円。
Careemの成功は、本当にすごいです。
でも、それ以上に感動するのは、
「社会を良くしたい」
という創業者の想いです。
単なる配車アプリじゃなく、
女性の社会進出を支援し、
雇用を創出し、
中東の交通問題を解決しました。
技術で社会を変える。
これこそが、起業の醍醐味ですよね。
僕たちYHIKも、ドバイで頑張る日本の起業家を全力でサポートします。
次のCareemは、日本から生まれるかもしれません。
あなたも、その一人になりませんか?
何か相談があれば、いつでもLINEしてください。
一緒にドバイで奇跡を起こしましょう!


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